
【獣医師解説】鳥と小動物の寒さ対策|季節の変わり目に気をつけたい保温ポイント
こんにちは。
豊橋小松病院の曽我です。
最近ぐっと冷え込んできましたね。
1か月前は34℃近くあったのに、今週は最高気温が20℃を下回る日もあり、季節の移り変わりを強く感じます。
このように急に冷えると、鳥さん・うさぎさん・ハムスターさんといった小型の動物たちには「保温」がとても大切になってきます。
あくまで目安ですが、多くのエキゾチックアニマルでは 最低気温が18℃を下回る頃から保温の検討が必要 です。
🐥 鳥さんの保温
鳥さんには「温室づくり」がポイントになります。
快適な室温はおよそ 25〜28℃。ただし生活環境に慣れてくると個体差も出てくるため、飼い主さんが快適と感じる温度を基準に考えると良いでしょう。
体調が悪いときは 28〜32℃ の温室が推奨されます。年齢や状態によっても適温は変わりますので、迷ったら病院にご相談ください。
温室づくりのコツ
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60W以上のひよこ電球を使用(火傷防止のためケージの外に設置) ※下記写真はICUのため内部に設置してあります
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段ボールやビニールシートで温める範囲を囲う
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サーモスタットで温度の上がりすぎを防ぐ
🐹 小型哺乳類(うさぎ・ハムスター・チンチラなど)
哺乳類は温室のほか、パネルヒーターなどの接触型保温も効果的です。
寝床の半分ほどを目安にヒーターを敷き、暑ければ逃げられる設置にしましょう。
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ケーブルを齧ってしまう子には、プラスチック製カバーなどで対策を。
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うさぎさん・ハムスターさんは 20℃台を維持するのが理想。特に 24〜25℃ ほどが快適です。
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「寒さに強い」と書かれた資料もありますが、実際には 冷えで体調を崩す子も多いです。人が肌寒いと感じる気温は、彼らにとっても寒いと思ってください。
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チンチラさんは暑さが苦手なので、他の小型哺乳類より低めの 20℃前半を目安に。
🦎 爬虫類
爬虫類は特に温度管理が重要です。
種類ごとに「至適温度帯(POTZ)」があり、多くの場合 25〜32℃ が目安とされています。
自由に温度を選べるよう、温度勾配をつくることが大切です。
ライトや環境の整え方が複雑な場合もあるため、不明点があれば病院にご相談ください。
☀️ さいごに
小型動物は 気温・気圧・天候の変化に敏感 です。
この時期は体調を崩す子が増えるため、日々の温度管理がとても重要になります。
おうちの環境を見直すことで、健康維持や長生きにもつながります。
ぜひ一度、飼育環境をチェックしてみてくださいね。
※写真はICUのためひよこ電球を内部に設置してあります